愛人募集掲示板

愛人募集掲示板
アラサーと言われる年になって、周りから結婚をうるさく言われ始めた。
結婚しない主義なの? なんて言われたが、別にいい縁があればするつもりだった。
唯々面倒で、気が付けばネットで愛人募集掲示板なんて覗いていた。
愛人募集掲示板なのでやっぱりセフレ的な奴が多かったが、私としては恋愛をしたかったのだ。
同年代と付き合うと、結婚をどうするとか色々考えなきゃいけないので、悩まなくていい既婚者と付き合いたかった。
というより、思考を一時停止したかったのだ。
とりあえず愛人掲示板でいかにもセフレ的な奴ではない書き込みを探し返事をした。
待ち合わせ場所にいたのは思いの外若い男性で、私は驚いた。
聞けば、有名な会社の社長で、さらに驚いた。
彼は入り婿なのだとかで、奥さんとは別れられないが、すれ違っている生活が寂しく、誰かと恋がしたかったと言われた。
私は、そんな彼に少し心がときめいた。
彼と手をつないで、買い物をして食事を食べた。
「この後どうする?」
彼がワインを傾けながら私に聞いた。
私はお金持ちはこんな仕草も様になるんだなぁと思っていた。
「私、最近全く恋をしてなくて……試してみてもいいですか? あなたの身体にときめけるか」
私がそう尋ねると彼は驚いた顔をしていたが、こくりと頷いてくれた。
私たちは食事を済ませると、タクシーを呼んでホテルへ行った。
ラブホではなく、シティホテルというやつで、初めて入るスイートルームにドキドキした。
「こういう部屋ってあれだ! ホテルの窓に手をついてエッチするやつ!」
私がそう言うと、彼は吹き出して笑った。
「いいね、それ。試してみようか」
彼はそういうと私にゆっくりと口づけした。
私の心臓はドキドキして、、思った。
このまま恋ができそうな気がする。
童貞卒業
筆下し